国税庁は2026年11月4日、国税電子申告・納税システム「e-Tax」で不審な通信を検知したとして、確認のための緊急メンテナンスを始めました。メンテナンス中はe-Taxを利用できず、終了時期は「改めてホームページで知らせる」とされ、11月5日朝の時点でも未定のままです。
e-Taxは確定申告の時期だけでなく、予定納税や源泉所得税の納付、税務署からのお知らせの確認などで一年中使われています。この記事では、国税庁の公式発表で分かっていること・まだ分かっていないことを整理したうえで、停止中に気をつけたい期限と、停止に便乗した「なりすましメール」への備え方をまとめます。

e-Taxの緊急メンテナンスとは?公式発表の内容
e-Taxのホームページには、11月4日付で「緊急メンテナンスのお知らせ」が掲載され、同日19時に追記されました。公式に示されている内容は次のとおりです。
① 11月4日、e-Taxで不審な通信を検知した
② 確認のための機器メンテナンスを実施している
③ メンテナンス期間中はe-Taxを利用できない
④ 終了時期などは改めてホームページで案内する
時系列で見る緊急メンテナンスの流れ
| 日時 | 公式に発表された内容 |
|---|---|
| 2026年11月4日 | e-Taxで不審な通信を検知。確認のための機器メンテナンスを開始し、「緊急メンテナンスのお知らせ」を掲載 |
| 2026年11月4日 19時 | お知らせに追記。メンテナンス期間中はe-Taxを利用できないこと、終了時期は改めて知らせることを案内 |
| 2026年11月5日 朝 | お知らせは引き続き「現在、緊急メンテナンスを実施しています」。終了時期は未発表 |
まだ分かっていないこと
国税庁は「不審な通信」の中身、不正アクセスがあったかどうか、利用者の情報に影響があるかどうかについて、11月5日朝の時点では公表していません。再開の日時、期限の扱いも未発表です。インターネット上には原因を推測する書き込みもありますが、公式の発表ではない情報をもとに慌てて行動する必要はありません。続報はe-Taxのホームページ(www.e-tax.nta.go.jp)と国税庁のホームページで確認しましょう。
e-Taxが使えない間、影響を受ける手続き
公式発表では、利用できないのは「e-Tax」全体とされており、特定の機能だけを止めているという説明はありません。ふだんe-Taxで行っている次のような手続きは、再開まで待つことになります。
| e-Taxで行う主な手続き | 停止中の扱い |
|---|---|
| 申告書・申請書・届出書の送信 | e-Taxからは送信できない |
| メッセージボックスの確認(「お知らせ・受信通知」など) | ログインできないため確認できない |
| ダイレクト納付(e-Taxを使った口座からの納付) | e-Taxを使う手続きのため、再開まで利用できない |
| メールアドレス・宛名などの登録や変更 | e-Taxで行う手続きのため、再開まで利用できない |
会社員で年末調整を勤務先に任せている人は、ふだんe-Taxを使う場面が少ないため、直接の影響は小さいと考えられます。一方、個人事業主や、税理士に申告・納付を頼んでいる人、11月に納付を予定している人は、自分の予定に関係がないか確認しておきましょう。
11月の期限に注意。予定納税の第2期は11月30日まで
11月に多くの人が関わる手続きが、所得税の予定納税(第2期分)です。国税庁の案内では、予定納税の納付期間は次のとおり決まっています。
| 区分 | 納付期間 |
|---|---|
| 第1期分 | 7月1日〜7月31日 |
| 第2期分 | 11月1日〜11月30日(2026年は11月30日が月曜日) |
予定納税は、前年の所得をもとに税務署から通知が届いた人が対象です。期限を過ぎると延滞税がかかる仕組みで、国税庁は第2期分について、2026年12月1日〜12月31日の延滞税の割合を年2.8%と案内しています。今回の緊急メンテナンスで期限の扱いが変わるかどうかは未発表です。期限までまだ日数はあるため、まずは再開の案内を待ちつつ、月末ぎりぎりにならないよう早めに準備しておくのが安心です。
e-Tax以外の納付方法も確認しておく
国税庁の「国税の納付手続」のページでは、ダイレクト納付のほかにも次のような納付方法が案内されています。e-Taxの再開が遅れたときに備えて、自分が使える方法を把握しておきましょう。
- 振替納税(事前に登録した口座から、決められた日に自動で引き落とし)
- インターネットバンキング・ATMでの納付
- クレジットカード納付(専用のサイトから手続き)
- スマホアプリ納付
- コンビニ納付(QRコード・バーコード)
- 金融機関や税務署の窓口での納付
それぞれの方法には事前の手続きや金額の上限があり、利用の可否は国税庁の各案内ページで確かめる必要があります。期限が迫っていて手続きに迷う場合は、自分で判断せず、所轄の税務署に相談するのが確実です。
停止に便乗した「なりすましメール」に注意
大きなサービスが止まったときは、そのニュースに便乗して「再開のお知らせ」「本人確認のお願い」などを装った偽のメールやSMSが出回りやすくなります。国税庁とe-Taxは、以前から国税庁やe-Taxをかたる不審なメール・SMSへの注意を呼びかけています。e-Taxの停止をきっかけに届いたメッセージほど、落ち着いて見分けることが大切です。

国税庁が「送らない」と明言しているもの
国税庁の注意喚起ページでは、次のような連絡はしないと明記されています。当てはまるものが届いたら、偽物と考えて差し支えありません。
- URLを書いたショートメッセージ(SMS)での案内
- 国税の納付の求めや差押えに関するSMS・メール・LINEのメッセージ
- 還付金の受け取りや納付のために、ATMの操作を求めること
- 納付のために、特定の口座を指定して振り込みを求めること
- アンケートと称した電話、AI・自動音声の電話による納付の要求
本物のe-Taxメールの見分け方
e-Taxが送るお知らせメールには決まった特徴があります。届いたメールを次の表と照らし合わせてみてください。
| 確認する点 | 本物のe-Taxメール |
|---|---|
| 送信元 | 表示名「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」、アドレスは info@e-tax.nta.go.jp(ただし送信元は偽装できるため、これだけで判断しない) |
| 件名 | 基本は「税務署からのお知らせ(宛名様)【内容】」の形 |
| 宛名 | 自分で登録した宛名が入る。「担当者様」などの一般的な宛名は要注意 |
| URL・添付ファイル | 通常のお知らせメールには原則としてURLを書かず、ファイルも添付しない |
| 内容の確認方法 | メールの中ではなく、e-Taxにログインしてメッセージボックスで確認する |
メールアドレスの変更やパスワードの再設定を自分で行ったときだけは、確認用のURLを含むメールが届くことがあります。自分で操作した覚えがないのにURL付きのメールが届いた場合は、開かないのが安全です。
今すぐできる対策チェックリスト
- 「e-Tax再開」「本人確認」などをうたうメール・SMSのリンクは開かない
- e-Taxや国税庁のサイトは、ブックマークや検索結果の公式ドメイン(nta.go.jp)から開く
- メッセージボックスの確認は、e-Taxの再開後にe-Taxのホームページからログインして行う
- 電話で納付や口座情報を求められたら即答せず、いったん切って税務署に確認する
- リンクを開いて情報を入力してしまったら、すぐにカード会社や金融機関に連絡する
困ったときの相談先
不審な連絡を受けたときや、手続きに不安があるときは、次の公的な窓口に相談できます。
| 相談したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 税務職員を名乗る電話や文書が本物か確かめたい | 最寄りの税務署の総務課、または国税局の納税者支援調整官(電話番号は国税庁のホームページで確認) |
| 偽メール・偽サイトの手口や対処法を知りたい | IPA(情報処理推進機構)の安心相談窓口 |
| お金を払ってしまった、契約してしまった | 消費者ホットライン「188」 |
| フィッシングの被害に遭った | 警察(警察庁のフィッシング対策ページも参考に) |
相手から教えられた電話番号には電話せず、国税庁のホームページに載っている番号を使うのが基本です。
よくある質問
Q. e-Taxはいつ再開しますか?
A. 11月5日朝の時点で、終了時期は未発表です。国税庁は、決まり次第e-Taxのホームページで知らせるとしています。
Q. 個人情報が漏れた可能性はありますか?
A. 国税庁が公表しているのは「不審な通信を検知したため、確認のための機器メンテナンスを実施している」という内容までで、情報の流出についての発表はありません。今後の公式発表を待ちましょう。
Q. 予定納税の期限に間に合わなかったらどうなりますか?
A. 第2期分の期限は11月30日です。期限を過ぎると延滞税がかかる仕組みで、今回の停止で期限の扱いが変わるかどうかは未発表です。e-Tax以外の納付方法も含めて早めに準備し、迷ったら所轄の税務署に相談してください。
Q. 「e-Taxが再開しました。ログインして確認を」というメールが届きました。
A. メール内のリンクは開かず、e-Taxや国税庁のホームページを自分で開いて、お知らせが出ているかを確認してください。e-Taxのお知らせメールには原則としてURLが書かれていません。
まとめ
e-Taxは2026年11月4日に不審な通信を検知し、確認のための緊急メンテナンスに入りました。メンテナンス中はe-Taxを利用できず、11月5日朝の時点で終了時期や原因の詳細は発表されていません。11月30日が期限の予定納税(第2期分)がある人は、再開の案内を待ちながら、e-Tax以外の納付方法も含めて早めに準備しておくと安心です。
また、停止のニュースに便乗した偽のメールやSMSには特に注意が必要です。国税庁はSMSにURLを書いて案内することはなく、納付や差押えをメールやSMSで求めることもありません。情報は必ずe-Taxや国税庁の公式ホームページで確かめましょう。新しい発表があれば、この記事でも内容を確認していきます。



