日本エイサーは2026年11月5日、フルHDの液晶を上下に2枚重ねた折りたたみ式デュアルモニター「PD3シリーズ」の2機種を発売しました。持ち運べる15.6インチの「PD163QTBbmiuux」(タッチ対応・約1.6kg)は、Acer公式オンラインストアで4万5,800円。据え置き向けの23.8インチ「PD243YEbmiuux」(最大100Hz・約4.8kg)は5万9,800円です。どちらもUSB Type-Cケーブル1本でノートPCとつなげ、デスクの横幅を広げずに画面を2枚増やせます。

この記事では、2機種のスペックと価格の違い、どんな使い方に向いているか、買う前に確かめておきたい接続まわりの注意点を、日本エイサーのプレスリリースと公式オンラインストアの仕様表をもとに整理します。
Acer PD3シリーズとは?上下2画面の折りたたみ式モニター
PD3シリーズは、同じサイズのフルHD(1920×1080)IPS液晶2枚をヒンジでつなぎ、縦に重ねて使うモニターです。一般的なデュアルモニターは2台を横に並べるため、机の幅がそれなりに必要になります。PD3シリーズは画面を「上下」に積むので、置き場所の横幅はモニター1台分で済みます。
上側の画面は最大315度まで回転し、置き方を変えられます。メーカーが示している主な使い方は次の3つです。
- 上下2画面:ノートPCの奥に置き、上下の画面に資料や作業中のウィンドウを並べる
- テントスタイル:山折りにして、向かい合った相手と画面を見せ合う。重力センサーで上画面の表示が自動で反転する
- 縦置き:本体を横に倒し、2画面を左右に並べて使う
使わない片方の画面を背面に折りたたんで、1画面のモニターとして使うこともできます。販売はAcer公式オンラインストア、Acer Direct、Amazonで順次始まっており、法人向けにも販売されます。
主な特徴まとめ
① フルHDのIPS液晶を上下に2枚。上下をつないだ1920×2160の縦長1画面(スプライスモード)としても使える
② USB Type-C×2とHDMI 1.4を装備。対応するノートPCならType-Cケーブル1本で映像を出せる
③ 15.6型は下画面が10点タッチ対応で約1.6kg・スリーブケース付き。23.8型は最大100Hz・NTSC 72%で据え置き向け

2機種のスペック・価格一覧
2機種の大きな違いは「画面の大きさ」「タッチ操作」「リフレッシュレート」「重さ」です。端子の構成、スピーカー、解像度は共通です。
| 項目 | PD163QTBbmiuux(15.6型) | PD243YEbmiuux(23.8型) |
|---|---|---|
| タイプ | デュアルモバイルモニター | キックスタンド式デュアルモニター |
| 価格(Acer公式オンラインストア) | 4万5,800円 | 5万9,800円 |
| 画面 | 15.6インチ×2、IPS・非光沢 | 23.8インチ×2、IPS・非光沢 |
| 解像度 | 1920×1080×2(スプライスモード時1920×2160) | 同左 |
| リフレッシュレート | 60Hz | 最大100Hz |
| 応答速度 | 8ms(GTG) | 4ms(GTG) |
| 輝度・色域 | 250cd/㎡・NTSC 45% | 250cd/㎡・NTSC 72% |
| 視野角(水平/垂直) | 170°/170° | 178°/178° |
| タッチ | 10点マルチタッチ(下画面のみ) | 非対応 |
| 端子 | HDMI 1.4×1、USB Type-C×2、ヘッドホン | 同左 |
| スピーカー | 2W+2W | 同左 |
| 大きさ(折りたたみ時) | 約356×216×23mm | 約542×323×25mm |
| 重さ | 約1.6kg | 約4.8kg |
| VESAマウント | 75×75mm | 100×100mm |
| 付属ACアダプター | USB Type-C・30W | USB Type-C・45W |
| スリーブケース | 付属 | なし |
| 保証 | 3年(パネル・バックライトは1年) | |
USB Type-Cの2つの端子は、いずれもUSB 3.2 Gen 1(最大5Gbps)・PD(給電)対応です。消費電力はメーカー実測の通常値で15.6型が18W、23.8型が35Wとなっています。
機能を詳しく解説
置き方を変えられる折りたたみデザイン

どちらのモデルも、背面のスタンドで自立します。スタンドの角度は0〜60度が推奨範囲で、取り外しはできません。上画面の角度は0〜315度の範囲で動くため、ノートPCの画面の上に資料を出す「縦長の作業台」のような使い方から、商談や家族との写真鑑賞のように相手に画面を向ける使い方まで1台でこなせます。
なお、テントスタイルで表示を自動回転させる重力センサーは、上側の画面だけに働きます。下側の画面は逆さまにならない置き方で使うのが前提です。
3つの表示モードと縦長のスプライスモード
パソコンとつないだときの見せ方は、大きく分けて次の3通りです(接続する機器や方法によって使えないモードがあります)。
- ミラーリング:PC本体の画面と同じ内容をモニターにも表示。プレゼンや画面の共有に
- 拡張表示:上下の画面にそれぞれ別のウィンドウを表示。資料を見ながら文書を書く、Web会議をしながらメモを取るといった作業に
- スプライスモード:上下2枚を1つの1920×2160の縦長画面として扱う。長い文書やWebページ、表計算ソフトの縦に長い表を一度に見たいときに
また、2台の機器をつないで、上下の画面にそれぞれ別の映像を出すこともできます。たとえば一方にノートPC、もう一方にゲーム機をつなぐ、といった使い方です。入力される映像の縦横比を保って表示する自動アスペクト比機能もあり、16:9以外の映像は左右または上下に黒い帯が入る形で表示されます。
15.6型は下画面がタッチ対応
15.6型のPD163QTBbmiuuxは、下側の画面が10点マルチタッチに対応しています。指で画面を直接操作できるので、資料のスクロールや拡大、ボタンのタップなどを手早く行えます。ただし、タッチが効くのは下画面だけで、スプライスモードのときはタッチ操作が使えません。また、タッチを使うには付属のUSB Type-A to USB Type-Cケーブル、またはUSB Type-Cケーブルでつなぐ必要があり、HDMIだけの接続ではタッチは使えない点に注意しましょう。
23.8型は最大100Hzで色域も広め
23.8型のPD243YEbmiuuxは、最大100Hzのリフレッシュレートに対応し、スクロールやマウスポインターの動きがなめらかです。色域もNTSC 72%と15.6型(NTSC 45%)より広く、写真や動画を見る用途でも色の差が出やすい部分です。重さは約4.8kgあるため、持ち歩くよりも自宅や職場の机に置きっぱなしにする使い方が中心になります。
2台並べる・モバイルモニター1台と比べると?
デスクで画面を増やす方法には、「普通のモニターを2台並べる」「モバイルモニターを1台足す」などもあります。PD3シリーズと比べたときの違いを整理しました。
| 比べる相手 | PD3シリーズの良いところ | PD3シリーズの気になるところ |
|---|---|---|
| 普通のモニター2台を横に並べる | 机の横幅が1台分で済む。ケーブルも少なくできる | 上画面の位置が高くなるため、目線を上下に動かす時間が増える |
| モバイルモニター1台を足す | ノートPCと合わせて3画面にできる | 重さ・厚みはモバイルモニター1台より増える(15.6型で約1.6kg) |
上下に画面を並べる形は、メールやチャットを下に、資料を上に、といった「見る画面」と「作業する画面」を分けたい人に向いています。一方で、2枚の画面を長時間かわるがわる見つめる作業(動画編集のタイムラインと再生画面など)では、横並びのほうが首の負担は小さく感じる人もいるでしょう。設置する机の高さや椅子との距離も合わせて考えるのがおすすめです。
どんな人におすすめ?
- 15.6型(PD163QTBbmiuux):出張先やコワーキングスペース、自宅の中で場所を変えながら作業する人。スリーブケースが付いており、ノートPCと一緒にリュックで運びやすい。タッチ操作を使いたい人にも
- 23.8型(PD243YEbmiuux):机の幅は限られているが、大きな文字で2画面を使いたい人。表計算ソフトや複数の資料を同時に開く在宅ワークや、ゲーム機と兼用したい人に
持ち運ぶかどうかが最初の分かれ道です。家から持ち出さないなら、画面が大きく100Hzに対応した23.8型、外でも2画面がほしいなら15.6型、と考えると選びやすくなります。
購入前に確かめておきたい注意点

PCのUSB Type-Cが映像出力に対応しているか
ケーブル1本でつなぐには、ノートPC側のUSB Type-C端子が映像出力(DisplayPort Alternate Modeなど)に対応している必要があります。PCのUSB Type-C端子の近くにあるマークや、PCメーカーの仕様表で確かめておきましょう。対応していない場合はHDMIでつなぐ方法もあります。
給電が足りないときはACアダプターを使う
PD3シリーズはUSB Type-C経由で電源を受け取ります。PCから十分な電力を送れない場合は、付属のUSB Type-C ACアダプター(15.6型は30W、23.8型は45W)をつなぐ必要があります。外出先で使う予定がある人は、コンセントの有無も考えておくと安心です。
Macは機種によって対応状況が異なる
メーカーは、Macは機種や搭載チップによって対応状況が異なるとしています。23.8型をmacOSでノートの画面と合わせて3画面の拡張表示にするには、HDMIケーブル1本とType-Cケーブル1本でつなぐ必要があるとのことです。Macで使う予定の人は、購入前にメーカーに問い合わせることが勧められています。
付属品と保証
どちらもHDMIケーブル、USB Type-Cケーブル、電源専用のUSB Type-Cケーブル、ACアダプターが付属します。15.6型にはUSB Type-A to USB Type-Cケーブルとスリーブ、23.8型にはDisplayPort to USB Type-Cケーブルが付きます。保証は3年ですが、パネルとバックライトは1年です。
よくある質問
Q. 発売日と価格は?
A. 2026年11月5日から順次発売です。Acer公式オンラインストアの価格は、15.6型のPD163QTBbmiuuxが4万5,800円、23.8型のPD243YEbmiuuxが5万9,800円(いずれも送料無料)です。
Q. どこで買えますか?
A. Acer公式オンラインストア、Acer Direct、Amazonで順次販売されます。法人向けにも販売されます。
Q. 2画面を1つの大きな画面として使えますか?
A. はい。スプライスモードで上下の画面をつなぎ、1920×2160の縦長の1画面として使えます。ただし15.6型では、スプライスモード中はタッチ操作が使えません。
Q. ゲーム機をつなげますか?
A. HDMIとUSB Type-Cの端子があり、2台の機器の映像を上下の画面に分けて表示できます。つなぐ機器によっては表示モードが制限される場合があります。
Q. 壁やアームに取り付けられますか?
A. VESAマウントに対応しています(15.6型は75×75mm、23.8型は100×100mm)。
まとめ
日本エイサーの「PD3シリーズ」は、フルHDの画面を上下に重ねた折りたたみ式のデュアルモニターです。15.6型のPD163QTBbmiuuxはタッチ対応・約1.6kgで4万5,800円、23.8型のPD243YEbmiuuxは最大100Hz・約4.8kgで5万9,800円。どちらもUSB Type-C×2とHDMIを備え、机の横幅を増やさずに2画面を足せるのが最大の特長です。
買う前には、ノートPCのUSB Type-Cが映像出力に対応しているか、給電が足りるか、Macで使う場合の対応状況を確かめておきましょう。外へ持ち出すなら15.6型、自宅や職場に据え置くなら23.8型、という選び方がわかりやすい目安です。



