Microsoft は2026年10月30日(米国時間)、Windows 11 のプレビュー版で試験中の新しい「Windows Search」(タスクバーの検索)を強化しました。検索欄の中で音量や画面の明るさをスライダーで変えられるようになり、スマートフォン連携でつないだ Android スマホを使って電話をかけたり SMS を送ったりもできます。ファイルの中身のプレビューや天気・株価の表示にも対応しました。対象は Windows Insider Program の Experimental チャネルで、表示は今のところ英語のみ。一般向けの提供時期は未発表です。

Windows の検索は、これまで「アプリやファイルを探して開く」ための場所でした。新しい Windows Search は、Microsoft 自身が「探す」から「やる」へと表現しているように、検索欄に用件を入力するだけで設定の変更や連絡まで済ませられる方向へ変わろうとしています。この記事では、10月7日に始まったテストと10月30日の強化で何ができるようになったのか、どんな人が試せるのか、試すときに気をつけたいことを、Windows Insider 公式ブログの発表をもとにまとめます。
新しい Windows Search とは?
新しい Windows Search は、Windows の新しい画面部品「WinUI 3」で作り直された検索画面です。Microsoft は2026年10月7日、Windows Insider 向けにタスクバーの検索から段階的に提供を始めました。目的として、検索を速くしてメモリなどの消費を抑えること、結果を1つの一覧にまとめて見やすくすることを挙げています。初期のテストでは性能とメモリ使用量が大きく改善したとしていますが、具体的な数値は発表されていません。
デザインも大きく変わりました。これまでの検索画面は、左に結果の一覧、右に選んだ項目の詳細を並べる2段の作りでした。Microsoft は、実際のクリックのほとんどが左の一覧に集中していたため、新しい画面では結果を1列にまとめています。入力ミスや言い換え(同じ意味の別のことば)にも強くし、今後数週間かけて調整を続けるとしています。
なお、2026年7月には検索の初期画面から宣伝のような内容を外し、Web や Microsoft Store の候補を表示するかどうかを選べるようにする変更も行われています。今回の新しい検索は、その流れの上にある改良です。
10月30日の強化で変わった点まとめ
① 音量・画面の明るさ・カーソルの大きさを、検索結果の中のスライダーでその場で調整できる
② スマートフォン連携でつないだ Android スマホで、電話・SMS・おやすみモードを検索欄から操作できる(iPhone は2027年初めに対応予定)
③ ファイルのプレビューや更新日・保存場所・作成者の表示、天気・株価などの Web の回答、Store のアプリ検索に対応
④ 「ファイルとフォルダー」「設定」「アクション」などで結果を絞り込める
10月7日の時点で使えたのは、「ダークモードにする」「夜間モードをオンにする」「Bluetooth をオンにする」といった切り替えや、「画面を暗くする」「ミュートにする」「すべてのウィンドウを最小化する」「ウィンドウを並べる」といった操作でした。10月30日の更新では、ここに上の4つが加わっています。
対象のチャネルとビルド番号
10月30日の更新で新しい Windows Search の強化が入ったのは、Experimental チャネルの2つのビルドです。同じ日に公開されたほかのビルドとあわせて表にまとめます。
| チャネル | ビルド | 新しい Windows Search の強化 |
|---|---|---|
| Experimental | 26340.9843 | 対象 |
| Experimental(26H1) | 28120.3393 | 対象 |
| Beta | 26220.9836 | 記載なし |
| Beta(26H1) | 28020.3382 | 記載なし |
| Experimental(Future Platforms) | 29698.1000 | 記載なし |
正式版の Windows 11 を使っている一般の PC には、まだ届きません。一般向けにいつ提供されるのか、日本語でいつ使えるようになるのかは、どちらも未発表です。
新機能をくわしく解説
インラインアクション:検索結果の中で音量や明るさを変える
「インラインアクション」は、検索結果の中で直接操作できる機能です。今回の更新で、音量、画面の明るさ、マウスカーソルの大きさは、結果の中に出てくるスライダーを左右に動かすだけで変えられるようになりました。設定アプリを開いて目的の項目を探す手間がなくなります。アクションの表示名もわかりやすくなり、入力に合わせて「こんな操作もできます」という候補が出るようにもなっています。
スマホのアクション:検索欄から電話・SMS・おやすみモード

Windows の「スマートフォン連携」でスマホをつないでいると、検索欄から相手を指定して電話をかけたり、SMS を送ったりできます。スマホの「おやすみモード(Do Not Disturb)」の切り替えにも対応しました。今使えるのは Android スマホで、iPhone は2027年初めに対応する予定です。対応するスマホの条件(機種や OS のバージョン)は、発表では示されていません。
パソコンで作業しながら、スマホを手に取らずに短い連絡を済ませたい人には便利な機能です。会社の PC と私物のスマホをつないでいる場合は、職場のルールに合っているかも確かめておきましょう。
ファイルのプレビューと Web の回答

検索結果の中で、ファイルの中身をプレビューできるようになりました。最終更新日、保存場所、作成者などの情報も表示されるため、「見積書」のように名前が似たファイルが並んでいても、開かずに目的のものを選びやすくなります。
天気・株価・一般的な事実については Web の回答が表示され、Microsoft Store のアプリやゲームも検索結果に出ます。Web と Store の結果は、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「検索」でそれぞれオフにできます。パソコンの中だけを探したい人は、ここを見直しておくとよいでしょう。
結果の絞り込みと「一覧から削除」

結果は下にスクロールして続きを表示でき、「ファイルとフォルダー」「設定」「アクション」などの種類で絞り込めます。ファイルの場合は、Word・Excel・PowerPoint・PDF といった形式ごとに分けて表示することもできます。

検索結果や候補を右クリックすると、役に立ったかどうかを「高評価・低評価」で Microsoft に伝えられます。入力前の初期画面に出てくる最近の項目は「一覧から削除」で消せるようになりました。人に画面を見せる機会が多い人には、うれしい変更です。
これまでの検索との比較
| 項目 | これまでの検索 | 新しい Windows Search(プレビュー版) |
|---|---|---|
| 画面の作り | 左に一覧、右に詳細の2段 | 結果を1列にまとめる |
| 設定の変更 | 設定アプリを開いて操作 | 検索結果の中で切り替え・スライダー操作 |
| スマホの操作 | スマートフォン連携アプリを開く | 検索欄から電話・SMS・おやすみモード(Android) |
| ファイルの確認 | 右側の詳細欄で確認 | 結果の中でプレビューと更新日・場所・作成者 |
| 使える言語 | 日本語に対応 | 最初のテストは英語のみ |
| 開く場所 | タスクバーの位置に合わせる | 画面下の中央(ほかの位置は対応中) |
試す方法(Windows Insider 向け)
新しい Windows Search は段階的に配られているため、Experimental チャネルに参加していても、すぐに表示されるとは限りません。Microsoft は、早く試したい人向けに次の手順を案内しています。
- Windows Insider Program の Experimental チャネルで、ビルド 26340.9616 以降(26H1 はビルド 28120.3181 以降)に更新する
- 「設定」→「Windows Update」で「更新プログラムのチェック」を押し、PC を再起動する
- 「設定」→「Windows Update」→「Windows Insider Program」→「Feature flags」を開く
- 「New Windows Search Experience」をオンにする
感想や不具合は、フィードバック Hub(Windows キー+F)の「Desktop Environment」→「Search」から送れます。
試す前の注意点
- プレビュー版は不具合が出ることがある:Insider のビルドは開発途中の Windows です。仕事や家計の管理に使っているメインの PC ではなく、予備の PC で試すのが安心です。
- 表示は英語のみ:最初のテストは英語だけが対象です。日本語の入力でどこまで動くか、日本語版の提供時期は発表されていません。
- スタートメニューの検索は従来のまま:新しい検索はタスクバーの検索からだけ開き、画面下の中央に表示されます。スタートメニューからの検索やタスクバーの位置に合わせる対応は、2027年に向けて作業中とされています。
- iPhone のスマホ操作はまだ:検索欄からの電話・SMS は Android のみ。iPhone は2027年初めの予定です。
- Web の結果を出したくない人は設定を確認:「プライバシーとセキュリティ」→「検索」で Web と Store の結果をオフにできます。

よくある質問
Q. 今使っている Windows 11 にも新しい検索は来ますか?
A. 現時点では Windows Insider Program の Experimental チャネルだけで試験中です。正式版の Windows 11 への提供時期は発表されていません。
Q. iPhone でも検索欄から電話をかけられますか?
A. 今は Android のみです。Microsoft は iPhone への対応を2027年初めとしています。
Q. 日本語で使えますか?
A. 10月7日に始まった最初のテストは英語のみが対象です。日本語への対応時期は未発表です。
Q. 検索結果に Web の情報やストアのアプリを出したくありません。
A. 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「検索」で、Web の結果と Microsoft Store のアプリの結果をそれぞれオフにできます。
まとめ
新しい Windows Search は、検索欄に入力するだけで音量や明るさを変えたり、Android スマホで電話や SMS を送ったりできる「操作の入り口」へと変わりつつあります。ファイルのプレビューや種類ごとの絞り込みも加わり、似た名前のファイルが多い人ほど便利さを感じられそうです。
ただし、今はプレビュー版の Experimental チャネルだけの機能で、表示は英語のみ、一般向けの提供時期や日本語への対応も未発表です。気になる人は予備の PC で試しつつ、正式版の Windows 11 に届く時期は、今後の Microsoft の発表を待ちましょう。



