Meta は2026年11月6日(米国時間)、パーソナルAIエージェント「Muse(ミューズ)」に、自分専用のアプリのような画面を作れる新機能「スペース(Spaces)」を追加しました。作りたいものを言葉で伝えるだけで Muse が組み立ててくれる機能で、Muse が使えるすべての地域で同日から使えます。Muse は10月23日に日本でも提供が始まっているため、日本の利用者も対象です。
前日の11月5日には、Muse と声でやり取りできる音声会話と、表情が動くアバターも発表されました。こちらはまず米国で提供が始まり、日本での提供時期は未発表です。この記事では、スペースで何ができるのか、どう作るのか、使う前に知っておきたい注意点を、Meta の公式発表をもとに整理します。

Meta の AIエージェント「Muse」とは?
Muse は、Meta が提供する個人向けのAIエージェントです。質問に答えるだけのチャットAIとは違い、「こうしたい」という目標を伝えると、計画を立て、ブラウザを開いたりフォームに入力したりしながら、作業そのものを進めてくれるのが特徴です。時間のかかる作業はアプリを閉じた後も続け、メールの送信や商品の購入など、利用者の承認が必要な場面になると通知で知らせます。
日本では2026年10月23日に提供が始まりました。9月に先行した北米以外では、日本が最初の提供地域です。iOS・Android のアプリと、Web サイト(muse.ai)で使えます。多くの基本機能は無料で、さらに使い込みたい人向けにサブスクリプションプランも用意されています(日本向けの発表では、プランの名前や料金は示されていません)。
連携できるサービスには、Gmail、Googleカレンダー、Instagram のほか、Stripe、Shopify、Trip.com、Agoda、Klook などが挙げられています。日本向けには、メルカリ、マネーフォワード ME、チケットぴあとの連携を進めるとしています。
Muse の新機能「スペース」で変わること
①「こんなものがほしい」と伝えるだけで、自分専用のアプリのような画面(スペース)を Muse が作る
② 作った後も、足りない機能の追加や見た目・動きの変更を会話で頼める
③ サイドバーやメインのタブに置く、隠す、曜日や時間で出し分けるなど、置き場所を自分で決められる
④ 普段使うアプリと連携すると、中身がバックグラウンドで自動的に新しくなる
これまでの Muse は「会話で頼むと作業してくれる」存在でしたが、スペースによって「よく使う情報や道具を、自分の使いやすい形で手元に置いておける」ようになります。チェックを入れたりメモを足したり編集したりした内容は保存され、次に開いたときも続きから使えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機能名 | スペース(Spaces) |
| 発表日 | 2026年11月6日(米国時間) |
| 提供地域 | Muse が使えるすべての地域(日本を含む) |
| 使える場所 | Muse アプリ(日本では iOS・Android・muse.ai で提供) |
| 作り方 | 作りたいものを Muse に言葉で伝える |
| 他の人との共有 | 未対応(共有する方法を検討中と案内) |
| 追加料金 | 発表では、スペースだけの料金や有料プラン限定といった条件は示されていない |
スペースで作れるものの例
Meta は、スペースの使い道として次のような例を紹介しています。実用的なものから遊びの要素があるものまで幅広く、「毎日の習慣や目標、趣味に合わせて作る」ことを想定しています。
| スペースの例 | 中身 |
|---|---|
| 買い物の管理 | 贈り物のアイデア、Instagram に保存した欲しい物、Marketplace の出品や購入希望者とのやり取り |
| 学校の予定ボード | 学校行事のメールを見つけてカレンダーに追加 |
| 音楽の新着チェック | 好きなアーティストの新作やライブの予定 |
| 結婚式の準備 | 出欠の返事、業者の請求書、やることリスト |
| 旅行の計画 | 航空券、ホテル、予約、日ごとの行程 |
| 小さなお店の注文管理 | 新しい注文、お客さんからのメッセージ、今日発送する物 |
| フリーランスの案件管理 | 案件、締め切り、請求書 |
| そのほか | 年末の贈り物リスト、毎日の言葉遊びゲーム、DIY の計画ボード、クイズ、ポッドキャストの台本づくり |
日本の暮らしに当てはめるなら、たとえば「子どもの学校や習い事の連絡をまとめるボード」「家計の目標と今月の進み具合を見る画面」「旅行の持ち物と予定のチェックリスト」のような使い方が考えられます。ただし、実際にどのサービスとつなげられるかは連携の対応状況によります。日本向けに連携が案内されているのは、前の章で挙げたサービスです。
スペースの作り方と使い方

Meta の説明をもとに、スペースを作って使うまでの流れを手順にまとめました。
- 作りたいものを伝える:Muse に「年末に贈るプレゼントを管理したい」のように、目的や欲しい機能を言葉で伝えます。Muse がそれに合わせてスペースを組み立てます。
- 使いながら直す:使ってみて足りない項目があれば追加を頼み、見た目や動き方も会話で変えられます。最初から完璧に指示する必要はありません。
- 置き場所を決める:よく使うものはサイドバーやメインのタブに置き、使わない時期は隠せます。両者の間で移動もできます。
- 表示するタイミングを決める:曜日や時間で出すスペースを切り替えられます。Meta は「平日は1週間の予定表を前に出し、土曜日になったら週末の予定に入れ替える」といった例を挙げています。
- アプリを連携する(任意):普段使っているアプリをつなぐと、ライブの日程や価格の変化、貯金の進み具合などがバックグラウンドで自動的に更新されます。
スペースの中では、チェックを入れる、メモを足す、内容を書き換えるといった操作ができ、変更は次に開いたときまで残ります。作ったスペースは Muse の一部として、いつでも開き直せます。
同時に発表された Muse の音声会話とアバター

話しかけるだけで Muse とやり取りできる
11月5日(米国時間)には、Muse の音声会話と、表情豊かなアバターの提供開始も発表されました。文字を打たずに、リアルタイムで Muse と会話できる機能です。旅行の計画やアイデア出しのほか、就職面接やプレゼンの練習相手にもなります。
- 返事はすぐに聞こえ、話の途中で割り込んで別の質問をすることもできる
- 話している間も、頼んだ作業を Muse がバックグラウンドで進める(歩きながら、手がふさがっているときにも頼める)
- 声と話し方のスタイルは数百種類から選べ、いつでも変更できる
- アバターは会話の内容や調子に合わせて表情や身ぶりを変える
- 表示は「声だけ」「会話の横にアバター」「アバターを全画面」から選べる
- 始めるときは、Muse アプリの右上にある電話のアイコンをタップする
音声会話は、モバイル、Web、Mac の Muse アプリで使えます。今後は Meta の AIグラスや「Muse Charm」でも使えるようになる予定です。
日本で音声会話が使えるのはいつ?

音声会話とアバターは、まず米国で提供が始まりました。Meta の日本向けの発表(10月23日)でも、高度な音声モード、アバター、Muse 独自のメールアドレスについて「日本での提供状況は別途案内する」としており、日本での提供時期は未発表です。日本語での音声会話に対応するかどうかも、現時点では発表されていません。
一方、スペースは「Muse が使えるすべての地域」で提供されると案内されており、日本でもすぐに試せます。今回の2つの新機能は、提供範囲が異なる点に注意してください。
どんな人に向いている?
- 情報をいろいろなアプリに分散させている人:メール、カレンダー、メモに散らばった予定や連絡を、1つの画面にまとめたい人に向いています。
- 表計算ソフトやアプリ作りは苦手だけど、自分用の管理ツールがほしい人:言葉で頼むだけで形にでき、後からの修正も会話で済みます。
- 家族の予定、旅行、イベントなど、期間限定の準備をする人:必要な期間だけ前に出し、終わったら隠すといった使い分けができます。
反対に、家族や仲間と同じ画面を共有したい人は、まだ待つ必要があります。Meta はスペースを他の人と共有する方法を「検討している」段階で、現時点では自分専用です。
使う前に確認したい注意点
アプリ連携の範囲は自分で決める
スペースを自動で更新するにはアプリとの連携が必要ですが、つなぐほど Muse が触れられる情報も増えます。Meta の案内では、どのアプリをつなぐか、どこまでアクセスさせるかは利用者が選べ、権限の変更や連携の解除もいつでもできます。最初は必要なアプリだけをつなぎ、慣れてから広げるのが安心です。
大事な操作の前には確認がある
Muse は利用者のパスワードや支払い方法を見られない仕組みで、メールの送信や商品の購入といった重要な操作の前には本人に確認します。行った操作と、これから行う予定の操作の履歴も確認できます。通知が来たら内容をよく読んでから承認しましょう。
学習への利用と広告との関係
Muse は利用者ごとに隔離されたクラウド上の専用環境「Muse Secure VM」で動き、接続したサービスのデータや認証情報をそこに保管します。インターネットへのアクセスは Muse とは別の「Sentinel」というエージェントが管理します。また、Muse とのやり取りを Meta の AIモデルの学習に使わせないよう、オプトアウトすることもできます。会話や仮想マシン内のデータは、Meta の広告システムとは共有しないとしています。
料金の条件は事前に確認を
Muse は多くの基本機能が無料ですが、サブスクリプションプランもあります。今回の発表では、スペースを使うための追加料金や、有料プラン限定といった条件は示されていません。たくさん作業を頼む使い方をする場合は、アプリ内でプランの内容を確認してから使い始めると安心です。
よくある質問
Q. スペースは日本でも使えますか?
A. 使えます。Meta はスペースを「Muse が使えるすべての地域」で11月6日(米国時間)から提供するとしており、Muse は10月23日から日本でも提供されています。
Q. プログラミングの知識は必要ですか?
A. 必要ありません。作りたいものを Muse に言葉で伝えると、Muse が組み立てます。後から機能や見た目を変えたいときも、会話で頼めます。
Q. 作ったスペースを家族と共有できますか?
A. 現時点ではできません。Meta は他の人と共有する方法を検討しているとしていますが、提供時期は未発表です。
Q. 音声会話は日本で使えますか?
A. 音声会話とアバターはまず米国で提供が始まりました。日本での提供時期や日本語対応は未発表です。
Q. Muse はどこで使えますか?
A. 日本では iOS・Android のアプリと、Web サイトの muse.ai で使えます。
まとめ
Meta の AIエージェント「Muse」に、話しかけるだけで自分専用のアプリのような画面を作れる「スペース」が加わりました。作った後も会話で手直しでき、置き場所や表示する時間を決めたり、アプリと連携して自動で中身を更新させたりできます。Muse が使えるすべての地域が対象のため、日本の利用者もすぐに試せます。
一方、11月5日に発表された音声会話とアバターは米国で先に始まり、日本での提供時期は未発表です。スペースを使うときは、連携するアプリとアクセスの範囲を必要な分だけにとどめ、購入や送信の確認通知はよく読んでから承認するようにしましょう。



